

まとめ)2026年度 第1回コメディカル在宅医療推進協議会
東山医師会2026年度第T回コメディカル在宅医療推進協議会報告
2026年6月27日ウエスティン都ホテル京都にて55回目となる会を催しました。出席者はコメディカル40名、
東山医師会3名でした。
今回は「在宅医療現場におけるハラスメント」というテーマで、京都弁護士会所属の弁護士服部達夫先生にご講演頂きました。
患者やその家族から医療関係者に対する理不尽な要求などの嫌がらせ行為をペイシェントハラスメント(ペイハラ)またはモンスターペイシェント(MP)と言います。医療機関では応召義務、カルテ開示義務があり、患者対応に特有の困難さがあります。
ペイハラは@激情・粗暴系、A陰湿・執拗系、B職業系(プロ)に分けられます。MPは少なくとも患者「様」ではないので関係解消に向けて毅然とした対応をとるようにします。
@約束をしない、A口論をしない、B複数で対応する、C記録するなどです。
具体的対応策ですが、MPとの関係性を解消することが大切です。@診療を拒否する、A退去を求める(訪問診療であれば退去する)、B警察に通報する、C日本医師会に相談する、D弁護士に対応を一任する、などです。
@診療を拒否する、について、医師には応召義務があるのですが、応召義務を負わない正当な事由がある場合はこれに当てはまりません。
1)患者について、緊急対応が必要か
2)診療・診察時間の内外
3)患者と医師の信頼関係
その他の考慮要素として、
1)医療機関・医師の専門性・診察能力
2)当該状況下での医療提供の可能性・設備状況
3)との医療機関による医療提供の可能性
が挙げられます。
A退去を求める、についてですが、診療の妨害になっていること、業務時間外であること、他の患者の迷惑になって老いることなどを告げて、自院からの退去を告げます。また、在宅医療では、ペイハラを受けた場合にはその場で口論や、警告をせずに、速やかに患者宅から退去し、安全を確保した後に被害を受けたペイハラの内容を文書で送付します。患者側に反省の態度が見られない場合は信頼関係の破壊を理由に、在宅での診療を拒否することになります。
B警察に通報する、ですが警視庁では令和4年に各都道府県医師会から相談、通報がなされた場合にはその内容に応じて、関係部門が連携し、指導、助言、検挙当の必要な措置を講じるよう通達を出していますので、躊躇することなく110番通報をしても大丈夫です。
C日本医師会では令和7年より、ペイシェントハラスメント・ネット上の悪質な書き込み相談窓口を開設しています。
D弁護士に対応を一任すべきなのは、刑事事件として立件困難で、金銭要求を伴う告訴・告発を要するときです。
まずは、MPの自宅宛てに通知書・警告書を内容証明郵便で送ります。この通知だけで6,7割のMPが意気消沈するそうです。MPの家族から謝罪の連絡が入ることもあります。次の段階は仮処分です。訴訟には一定の時間がかかるため、それまでの間、暫定的に裁判所に「仮」の処分を求めるものです。但し、あくまで、「仮」なので後日訴訟において、判断が覆る可能性はあります。
話し合いがつかなければ、訴訟になります。
令和7年6月より、いわゆる労働施策総合推進法が改正され、これまでパワハラ対策を事業者に義務付けていたがカスハラ対策を講じることについても事業主に義務付けられました。
MP対策は自院の医師、スタッフを守るだけでなく、医療を必要としている多くの患者を守ることにもつながる、というお話でした。
ご講演後、カスハラの検討症例をお示しいただき、テーブルごとに、意見を述べる機会を頂きました。
いずれも、訪問診療、または看護に携わっているものとして、身近な問題で、興味深いものでした。
今回のように実際に弁護士の先生にご講演頂いたのはまたとない機会で非常にありがたかったです。
服部先生ありがとうございました。
また、今回もお忙しい中、お集まりいただきました皆様方ありがとうございました。
次回は10月3日に予定です。ぜひご出席いただくようお願い申し上げます。
在宅医療担当理事 田中愛子
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